ご挨拶

会長の写真です
中村 茂
京都桂病院

Interventional Cardiologyの世界では、約20年の間、冠動脈治療はステントが大きく牽引し、さらにDESの進歩により十分な実績を残してきました。しかし、石灰化病変に対する治療はいまだに問題も多く、1997年に承認されたRotational atherectomyの使用にはかなりの経験と熟練が必要です。2018年からはOrbiral atherectomy deviceが登場し、2022にはIntracoronary lithotripsyが承認を受けました。また、Scoring balloonや、high pressure balloonの有効な使用法など様々なデバイスが石灰化病変治療において重要な役割を果たしています。これらの道具の特性を理解すること、また血管内の状況を画像診断から得ることにより、適切な道具の選択と使用法をマスターすることが石灰化病変治療の予後改善へとつながると確信しております。本会は残された大きな課題である石灰化病変に対する最善の治療法を追求することに特化した研究会として発足しております。

今回の第2回のJ-CalCでは、「石灰化病変に対する適正なデバイス選択」をテーマに多くの医師やコメディカルスタッフの方々にご来場いただき直接デバイスに触れ、体感していただきたいと考えております。2日間という限られた期間ではありますが、石灰化病変に対するPCIライブ、また、これから始める先生にスタートアップのコツや注意点など有益な情報を共有していただけるよう、エキスパートによるレクチャーや症例検討、そして会場からの質問にも十分対応した進行を行い、少しでも役立つように努めて参ります。さらにこの活動を通じて、日本での石灰化病変に対する治療を世界へ発信していければと考えております。

Interventional Cardiologyというフィールドの中で医療に携わるすべてのスタッフがプロフェッショナルとして力を合わせれば、個々の力は小さくてもこの会での連帯は大きな力となり、患者さまのためのより良い医療につながっていくものと考えております。医療現場は、まだまだコロナによる問題に直面しておりますが、その中でもインターベンション治療を継続すべく日々努力しております。

最後に、災禍が収束に向かい会場でのご参集が叶うことを心より願っております。